大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和25年(あ)2330号 判決

主文

原判決を破棄する。

本件を広島高等裁判所岡山支部に差戻す。

理由

弁護人藤井稔の上告趣意第一点について。

職権を以て調査するに、被告人に対する別件たる賍物故買、賍物寄蔵被告事件につき昭和二五年一月二四日広島高等裁判所岡山支部第一刑事部が言渡した確定判決の判示第三、第四によれば、本件第一審判決認定の七箇の窃盗事実(併合罪)中の所論二箇の窃盗事実については既に確定判決のあったことを認めることができる。果して然らば少くとも該事実については刑訴三三七条一号に基き免訴の言渡をし残り五箇の窃盗事実について審判すべきものといわねばならない。

よって爾余の論旨に対する判断を省略し、刑訴四一一条一号により主文第一項のごとく原判決を破棄し、なお当裁判所は同四一三条但書によって直ちに判決することができるものとは認められないから同条本文に従い主文第二項のとおり判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。

(裁判長裁判官 沢田竹治郎 裁判官 真野 毅 裁判官 斎藤悠輔 裁判官 岩松三郎)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例